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モニタとプリンタの色 [カラーマネージメント]

 たまに頼まれて人物写真を撮るのですが、肌の色に悩んでしまいました。
 というのも、モニタで見る色とプリントの色が違いすぎるので…。
 当の写真、蛍光灯下のオフィスで撮っているので、全体に少し黄緑がかっているのですが、プリントするとマゼンタ系に転んでしまいます。普段、頼まれて撮る写真はweb用なのでモニタで確認すればいいのですが、今回は印刷にも回すので、プリントして確認をしたわけです。それが合わない。困った。モニタとプリンタ、どっちがヘンなの?
 こういうときは同じデータを複数の機器で見てみます。キャリブレーション済みのモニタが2台あるので、別のモニタで確認したところ、モニタ同士では同じような色に見えます。ということは、プリンタ側の問題かと。
 とりあえずデータは納品し、プリンタの調整を行ってみました。

 使っているプリンタはPX-5V。
 しばらく行っていなかったColorBaseによるキャリブレーションを行いました。
 手順は以下の通り。

 1)現在の状態でテストチャートをプリント
 2)出力されたチャートを測色
 3)測色したデータをもとにドライバ補正を適用する(=キャリブレーション)
 4)キャリブレーション後の状態で、テストチャートをプリント
 5)4)のチャートを測色し、キャリブレーションを評価

 途中、3)の測色の段階で「作成された補正値では色精度が低下する可能性があります。〜〜」と出てきます。3度ほどチャートのプリントと測色を繰り返しても、同じなので、そのまま続行。
 4)〜5)と手続きを経た結果がこれ↓。

2016100701.jpg

 まあまあ良好という結果です。

 気をよくして、再度納品するデータをプリントしてみたのですが……。
 しかし、結局、色の違いは直りませんでした。

 それならと、今度はi1でプリンタプロファイルを作り、それを使ってプリントして見たのですが、結果は同じ。少しくらい色が変わるかなと思ったのですが、ほとんど変化せず。ColorSyncユーティリティで見てみると、エプソン純正のプロファイルとi1で作ったプロファイルの色域はほぼ同じでしたので、似たような色になるのは当然、ということでした。

 さて原因は…。
 プリンタの寿命、それとも測色するセンサーの経年劣化…。う〜ん。
 他の風景写真などは、いい具合にモニタとプリントの色が合ってくるのですが、今回の写真が合ってこない。モニタもプリンタも、キャリブレーションの状態は良好と判断されるのですが、キャリブレーションの状態をチェックする際の色数はそう多くないので、肌色のような淡めの二次色、三次色のマッチングは難しいのかもしれません。というか、もともと肌色の再現・表現は難しいですけど…。
 これ以上、いじっても仕方ないので、今回はここまで。
 あれこれといじって、半日以上の作業となってしまいました。

 決まるときはピシッと決まるんですが、合わないときは合いません。
 色はほんとに難しいです。
 …少しマニアック、というか業務的な話しでした。


 そろそろプリンタを新しくしてもいいのかも。
 PX-5VIIは、ColorBase2対応なので、プリンタキャリブレーションが効率的なんですよね…。
 はぁ、いろいろ出費がかさみそうです。

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