SSブログ

Mac Pro(2012)にCatalinaをインストール [パソコン]

 自宅待機要請がなされ、コロナのおかげで仕事もキャンセルになったりして時間ができたので、これを機にMac Pro(Mid 2012)のOSをCatalina(macOS 10.15)にアップデートしてみました。


2020040501.jpg
早朝のCatalina。


●昨年4月にMojaveにアップデート





 Mac Pro(Mid 2012)は、実はCatalinaの対応マシンではなく、それ以前のMojaveにも基本的には対応していません。
 Mac Pro(Mid 2012)にMojaveをインストールするには、metal対応のビデオカードが搭載されていることが条件で、Mac Pro(Mid 2012)の基本スペックのままではアップデートは不可です。そのため、昨年の4月にmetal対応のビデオカード(RADEON HD7850:MacのEFIを乗せたやつ)をオークションで入手し、Mojave にアップデートしています。
 このときはmetal化するだけで特に問題なくMojaveをインストールすることができました。


●CatalinaではMac Pro(Mid 2012)が未対応に

 しかし、最新OSであるCatalinaではMac Pro(Mid 2012)がサポート外となってしまいました。Mac Pro(Mid 2012)の寿命もここまでか…。あとしばらくMojaveで頑張ろうと思っていましたが、Patcherなるものを使えばアップデートできると知り、時間のたっぷりあるこの自宅待機のタイミングでアップデートを行ってみました。


●なにはともあれバックアップ

 今回はCatalinaをクリーンインストールします。まずは大事なデータのバックアップです。定期的にTimeMacineでバックアップしているので、いちおう完全に元に戻すことはできるはず。ただTimeMacineからだと不要なファイルやデータなども復元されるので、クリーンインストールする意味が薄れてしまい、なるべく使いたくありません。そこで必要なデータは手動でバックアップすることとします。バックアップしたいのは…

・メール
・iTunesの音楽ファイル
・Lightroom Classicのカタログ
・各種のドキュメント

 …などです。

 メールは、バックアップしたいメールボックスごとに「メールボックスを書き出す」を実行して、書き出されたメールボックスを別のハードディスクに保存します。
 iTunesの音楽ファイルは、ミュージックフォルダをそのまま別のハードディスクにコピー。
 Lightroomのカタログも一式をコピーしておきます。
 各種ドキュメントも同様です。

2020040502.jpg
「メール」でメールボックスを書き出す。


 実はあとで後悔したことがあります。自分はPhotoshopでよく行う定型的な操作をアクションとして自動化しているのですが、そのアクションファイルをバックアップするのを忘れました。それからLightroomのプリセットファイルも忘れました。思わぬ盲点でした。また一から作り直さなければなりません。インストール前(フォーマット前)にバックアップ忘れがないか、作業前によく確認してください。くれぐれも酔っ払いながら作業をするのはやめましょう(←自分のことです)。

 その他、「連絡先」「カレンダー」「メモ」なども大事なデータですが、iCoudやMacBook Proとシンクロしているので、今回はなにもしませんでした。
 ちなみに、写真データはOSとは別のハードディスクに保存してあるので、今回はバックアップの対象外です。


●macOS Catalina Patcherを使ってCatalinaをインストール

 バックアップが済んだら、いよいよCatalinaのインストールです。
 通常通りの作業ではインストールを跳ねられるはずなので、macOS Catalina Patcherというのを使います。

・こちらからダウンロードできます
http://dosdude1.com/catalina/


 作業の流れとしては…

・macOS Catalina Patcherを起動する
・PatcherでmacOSをダウンロードする
・PatcherとmacOSをUSBメモリ(16GB以上)にコピーする


 こうして作られたUSBメモリが、「Catalinaのインストールメディア」になります。もしまたCatalinaをインストールするときのために取っておくとよいでしょう。
 インストールメディア(USBメモリ)が作成されたら、optionキーを押しながら再起動し、USBメモリを起動ディスクに指定します。以下の作業は次のようになります。

・Macを再起動する。その際optionキーを押したままにする
・起動ドライブの選択画面になるので、USBメモリを指定する
・macOSユーティリティが起動する
・macOSユーティリティで、ディスクユーティリティを選ぶ
・ディスクユーティリティでCatalinaをインストールするドライブをAPFSでフォーマットする
・ディスクユーティリティを終了する
・macOSユーティリティで「macOSを再インストール」を選ぶ
・OSのインストールが始まる
・OSのインストールが終わったらoptionキーを押しながら再起動する
・起動ドライブの選択画面になるので、USBメモリを指定する
・macOSユーティリティが起動する
・macOSユーティリティで「macOS Post Install」を選ぶ
・必要なパッチがインストールされる
・再起動してCatarlinaのインストール終了

 といった流れになります。
 いちおうお断りしておきますが、この説明はCatalinaのインストールを保証するものではありません。あくまで自己責任でお願いします。

2020040504.jpg
PatcherのOSダウンロード選択画面。
右の「Download a copy」を選択。

2020040505.jpg
OSのダウンロード画面。


●セットアップとバックアップデータの復元

 OSのセットアップ自体は、古いMacのOSと違いはありません。淡々と進めます。
 次にアプリケーションをインストール。自分はPhotoshopやLightroom Classic、NumbersやPages、メーカー製RAW現像ソフト、Nortonなどをインストールしました。

・メールボックスの復元
 メールボックスの復元は、メールを起動し「メールボックスを読み込む」で書き出したメールボックスを読み込みます。読み込んだあと、メールが散らばることがあるので整理が必要です。メールボックを読み込む際には、ファイルの選択画面で複数を同時選択できます。

2020040503.jpg
「メール」で書き出しておいたメールボックスを読み込む。


・音楽ファイルの復元
 CatalinaではiTuensが「ミュージック」というアプリに変わりましたが、基本的な操作方法は変わらないようです。
 音楽ファイルを読み込むには、ファイルメニューの「読み込む」で読み込みます。これも、フォルダやファイルを同時選択して読み込めます。

2020040506.jpg
「ミュージック」でバックアップしておいた音楽ファイルを読み込む。


・Lightroom Classicのカタログの復旧
 カタログ一式をピクチャフォルダに書き戻し、Lightroom Classicでそのカタログを開けばOK。のはずですが、自分のカタログを酷使しているせいか、ないはずの画像が表示されたり、画像の一部が表示されないなどの不具合が生じました。
 ないはずの画像はmobile〜というタイプの画像。クラウド経由で他のLightroomと同期させたのち、削除したはずなのに復活しました。不要だったのでカタログから削除。
 表示されない画像は、おそらくDPPでレーティングした一部の画像のようです。そもそもFinderですら見ることができませんでしたが、システムが読み書きできるようにアクセス権を設定したら、直りました。


●動作が懸念されていたソフト

 自分はあまり特殊なソフトは使っていないのですが、比較的よく使うやや特殊めのアプリが2つほど。

・Snapz Pro X
 キャプチャーソフトです。そもそも2.6.1からアップデートされていません。Mojaveで使うことができましたが、ずっとサポートされていないようなので、Catalinaでは使うのをやめました(動作検証はしていません)

・SpectraView II
 NECディスプレイソリューションズのモニタ用キャリブレーションソフトです。オフィシャルサイトを見るとCatalinaはまだサポートされていませんが、問題なく動きました(動いているようです)。


●Catalina アップデートの問題点

 サポート外のMacにPatcherを使ってのCatalinaのインストール。いくつか問題があるようです。ネットで調べるといくつか情報が得られますが、とりあえずこちら。

・VC社長日記
http://vintagecomp.livedoor.biz/archives/52012503.html

・たいくんの部屋
https://www.taikun-room.com/2020/01/catalina-patcher-bugs.html

 結構いろいろな問題があるようですが、実はMac Pro(2012)は最も問題のないモデルのようです。実際、自分のMac Pro(2012)は快適に動いています。

 ただし、人によっては重大な問題がひとつ。
 それは「日本語入力や変換ができなくなる」ということです。
 OSに付属の日本語入力システムでは、かな入力はできるもののローマ字入力ができず、かなで入力した日本語を変換できませんでした。
 自分の場合、ATOK 2017を使っていますが、ATOKなら問題なく動いています。サポート外のMacをCatalinaにする場合は、サードパーティ製のIMEを用意する必要があります。

 なお、Mojave時代は、換装したRADEON HD7850とシステムの相性がよくなかったのか、スリープ解除後にモニタが砂嵐になるということが頻繁に起きていましたが、Catalinaではまだ一度も砂嵐を見ていません。なぜだろう? ドライバが更新されたとか? ともあれ自分の場合は、Catalinaにしてむしろ良かった、という結果となりました。

 以上、Mac Pro(2012)ユーザーさんの参考になれば。

nice!(7)  コメント(0) 

nice! 7

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。