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ハイレゾショットの現像は純正ソフトで [カメラ・写真]

 オリンパスのデジタルカメラといえば、センサーをずらして実解像度以上の画素数を記録できる「ハイレゾショット」が特徴です。調べてみるとE-M5 IIから搭載されているようです。E-M5 IIは二〇一五年の発売ですから、七年ほどの歴史があるんですね。当初は確か純正ソフトでも現像できずPhotoshopのプラグインを使って現像したように覚えています。
 その後、EM-1 IIにも搭載されますが、それまでは三脚必須の機能でした。しかし、E-M1Xから画素数は減るものの手持ちでも撮ることができるようになりました(三脚使用時は八〇〇〇万画素、手持ちでは五〇〇〇画素)。その後、パナソニックやソニーなどでもセンサーをずらして画素数を増やす機能を搭載していますが、この機能についてはオリンパス(現OMDS)がパイオニアと言っていいでしょうかね。


 さて本題です。
 E-M5 IIユーザーだったので、ハイレゾショットが登場した当時や、また手持ちハイレゾショットができるようになって期待が膨らんだのですが、実際のところあまり使っていませんでした。
 なぜなら…
 期待したほど解像感が高くなく精細でなかったから…。

 自分は生粋のアドビユーザーなので(笑)、写真や画像にまつわる作業はほぼ100%、PhotoshopやLightroom Classicで行います。なぜならオリンパス機のみならずキヤノン機(昔はニコン機やソニー機)も使っていて、RAWを現像するのにメーカー純正ソフトを使い分けるのが面倒だったのと、純正ソフトが軒並み動作が遅かったからです。今でも純正ソフトの遅いという操作感は変わっておらず、写真に関する作業はLightroon Classicがメインで、必要に応じてPhotoshopを使うというスタイルです。

 ハイレゾショットに話を戻します。

 ハイレゾショットが出た当初こそPhotoshopのプラグインでハイレゾのRAWを現像していましたが、いつからか(二〇一五年頃?)CameraRawなどでそのまま現像できるようになりました。自分のアドビ製品をベースにしたワークフローそのままでハイレゾショットを扱えるようになったのです。
 ハイレゾショットの画像をワークフローにそのまま取り入れられるので、さらに利用しやすくなったかというと、実はそうではありませんでした。E-M5 IIのハイレゾショット画像のことは忘れましたが(笑)、その後に使っているE-M5 IIIもE-M1 IIIもCameraRawで現像したハイレゾショットの画質がイマイチなのです。言ってみれば2000万画素の画像を水増しした程度というか、良く言ってもアドビのスーパー解像度を適用したレベルの画質にしかなりませんでした。それで結局、たいしたことないや…と。

 でも…使い方が間違っていたのです。
 アドビのCameraRawでハイレゾショットのデータを現像できると言っても、それは単に現像できるというだけであって、「真のハイレゾ」を引き出すことができないようなのです。
 そのことに気づいたのが昨年でした。いずれ記事にしてアップしようと思っていましたが、遊ぶのにかまけて忘れていました(笑)。それで今日、意を決して(何を大げさな)改めて検証しました。

 比較写真をアップします。
 カメラはE-M1 III。レンズは純正の60mm macro。
 三脚を使ってのハイレゾショットです。
 三枚並んだ写真は、左がオリジナルの二〇〇〇万画素をOM Work Spaceで現像したTIFF、中央が三脚八〇〇〇万画素のハイレゾショット画像をOM WorkSpaceで現像したTIFF、右が同じハイレゾショット画像をPhotoshopのCamera Rawで現像したTIFFです。
 カメラ本体でシャープとシャドウを+1にしているのでOM Workspaceにはその設定が引き継がれると思いますが、CameraRawではその設定は無視されると思います。ちなみにCameraRawのシャープの値は40(初期設定値)です。


2022030303.jpg
撮った写真の全体。
この中央左を拡大します。


2022030301.jpg
三枚とも100%表示しています。
違いがわかるでしょうか?

 注目してほしいのは、中央と右の画像です。OM Workspaceで現像した中央の八〇〇〇万画素の画像の精細感が高いこと! リアルな質感が伝わってきます。それに比べて右のCameraRawで現像した画像は、なんじゃこりゃ、レベル。ずっとこれを見ていたので、ハイレゾショットは使えないというイメージを持っていましたが、CameraRawではその実力を引き出せていなかったんですね。


 次の画像は、左の二〇〇〇万画素の画像を八〇〇〇万画素の画像と同じ大きさに拡大(200%)したものです。

2022030302.jpg
左は200%拡大、中央と右は100%表示。

 左と右、一見すると大して違いがありません。よくよく比べるとさすがに左より右の方が細部の描写に優れますが、中央ほどではありません。CameraRawで現像したハイレゾショットは、オリジナルの二〇〇〇万画素をスーパー解像度で画素数をアップしたような画質にしか見えません。スーパー解像度はそれなりに優れた機能だと思いますが、そもそも写っていない細部の描写を復元できるわけではありません。CameraRawで現像したハイレゾショットの画像ってそんな感じなんです。



 違いがわかりにくいかもしれないので、比較写真を追加します。
 カメラはE-M1 III、レンズは純正の12-40mm F2.8、手持ちハイレゾです。

2022030304.jpg
写真全体。
左のビルの地上付近を拡大します。

2022030305.jpg
左がCameraRawで現像したもので、右がOM Workspaceで現像したもの。

 Camera Rawで現像した左の画像は細部がぼんやりしているのですが、OM Workspaceで現像した右の画像は、細い線までクッキリと描写しています。これほど違いが出るなんて!!!


 …CameraRaw(Lightroom Classic)で現像した画質をハイレゾショットの画質だと昨年まで思っていたので、積極的にハイレゾショットを使ってこなかったわけです。純正ソフトで現像すればちゃんとしたハイレゾ画質が得られるのですが、そのことにもっと早く気づいていればと、すこし後悔したのでした。
 ただ、これまでにもハイレゾショットで撮った画像があるので、これから探して改めてOM Workspaceで現像してみます。さて、どんな画が現れるのか。期待が膨らみます。


 掲載の画像ですが、サイズが小さいので詳細がわかりにくいかもしれません。
 これを読んでいる方で、もしこれまでハイレゾショットの画像をCameraRawやLightroom Classicで現像していたなら、ぜひともOM Workspaceで現像し直してみることをオススメします。本当のハイレゾショットの画を見ることができますよ!

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