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OM SYSTEMのカメラを仕事で使う [カメラ・写真]

 フラッシュをプラットホームフリーのGodox AD100 Proに変え、取材カメラをOM SYSTEM(以下OMと略)に移行中です。その中で見えてきた課題がいくつか。

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OM SYSTEMのカメラとX Pro(O)


1)X Pro(O)との相性があまり良くない

 ワイヤレス発光させるためのコマンダーであるX Pro(O)ですが、カメラ本体のホットシューに取り付けると、シャッターの切れるタイミングがワンテンポ、ツーテンポほど遅れます。購入後、家でお気楽試し撮りをしている時はあまり気づかなかったのですが、先日の徳島取材で表情やタイミングを狙って撮ろうとすると、タイムラグが生じて使えませんでした。この現象は手持ちのOM-1とE-M1 IIIで確認できています。
 個体の問題なのか仕様なのか、はっきりさせるため、某所で別個体のX Pro(O)や新型の X Pro II(O)、さらにはV860 III(O)なども試しましたが、タイムラグが生じるのはどれも同じでした。もしかして純正のフラッシュでもタイムラグが生じているのかと思いきや、FL-900Rを使う分にはスパスパシャッターが切れるので、やはりカメラ本体とX Pro(O)との相性問題のようです。
 OM用以外にキヤノン用のX Pro(C)も持っていて、それと5D Mark IVとの組み合わせは、ストレスなくシャッターが切れます。GodoxのOM用コマンダーやフラッシュでタイムラグが生じるのは、GodoxによるOMのフラッシュ通信の解析が不十分なためなのかもしれません(あるいはPanasonic用と兼用なのでその弊害が生じているのかも?)。
 ちなみに、X Pro(O)のモードをマニュアルやTTLではなくマルチ発光に切り替えるとタイムラグが生じなくなります。ただマルチ発光モードでは、グループごとの光量指定ができなくなるので、自分の用途では使えません。
 もうひとつちなみにですが、OMのカメラにキヤノン用X Pro(C)を取り付けたところ、なんとスパスパとシャッターが切れました(!!)。ただ、このような組み合わせは故障の原因になりそうなので、使うのはやめておきます。

 このような情報が少ないのは、OM機でGodoxのフラッシュやコマンダーを使っているユーザーが少ないからでしょうかね。X Proではないですが、Godoxの別のOM用コマンダーでもタイムラグが生じるとAmazonのレビューにありました。やはり通信解析が完璧ではないのでしょう。


 
 
2)それでもOM SYSTEMを使いたい〜その1〜端子を塞ぐ

 それでも軽量・コンパクトなOMのカメラやレンズ、そして強力な手ぶれ補正は捨て難い。自分の周りでOMの機材を仕事(サードパーティ製フラッシュを使用)で使っているプロは二名ほどいますが、それだけです。画素数もそうですが高感度に弱いというのがネックなのだと思います。人物写真ではISO400〜500くらいなら十分な画質なのでもっと使われてもいいのにと思います。
 それはさておき、X Pro(O)をOMカメラでストレスなく使うにはどうすればいいかというと、X Pro(O)の不要な端子を塞いで、基本的な発光信号だけを通過させるようにすればいいわけです。先の某所で聞いた話では、端子をパーマセルで覆うというプロがいるとか。パーマセルを貼ってホットシューとのクリアランスがあるのか疑問でしたが、早速やってみたところ、問題なく端子を防ぐことができ、スパスパとシャッターを切ることができました。ただ、使っているうちに擦れて端子が露出してくるのは目に見えています。その都度パーマセルを貼り替えればいいのでしょうが、時間の決められた仕事での撮影中にそんな余裕はありません。この方法は非常時対応ということにしておきます。

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X Pro(O)の端子

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中心の端子以外をパーマセルで覆ってみましたが、何度か取り外しをすると擦れて端子が露出してきます


3)それでもOM SYSTEMを使いたい〜その2〜ホットシューPCコネクターを使う

 余分な端子をオミットする何かいい機材はないものかと、カメラ用品店を覗いていたら、ちょうどいい機材がみつかりました。それがUNの「ホットシューPCコネクター」です(他にもエツミのE-519という製品もありますね)。
 当初、頭に浮かんだ打開案は、ホットシューに装着したX Pro(O)とカメラ本体をシンクロケーブルで繋ぐというものです。X Pro(O)には、わざわざシンクロコネクターが装備されているので、そちらがホットシューよりも優先されるのではないかと考えたのです(取説にはそのような記載はなし)。ただ、X Pro(O)側のケーブル端子が2.5mmのため、ケーブルそのものを探すのに苦労して探すのを諦めました(と思ったらamazonですぐに見つかった。買っていませんけど)。
 そのケーブルを探す目的で覗いた用品で偶然に見つけたのが「ホットシューPCコネクター」でした。これは自分の要望にドンピシャの製品でした。写真のように余分な端子がなく、基本的なフラッシュのトリガー信号しか伝達しない仕組みです。余分な機能をカットしてくれる古典的(?)な製品。
 実際にX Pro(O)を取り付けて撮影してみると、気持ちいいようにスパスパとシャッターが切れます。そうそう、この感触です、このテンポです。軽快にシャッターが切れないと人物の一瞬の表情なんて撮れませんから。これでシャターのタイムラグ問題は解決することができました。

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「ホットシューPCコネクター」を取り付けたOMカメラ
余分な端子がなくなり、基本的なシンクロ端子だけになります。

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「ホットシューPCコネクター」とX Pro(O)を取り付けたOMカメラ。
背が少し高くなり不格好ですが、使い勝手が優先です。


4)残る不満点

 さて、OMカメラにX Pro(O)を装着した際のシャッターのタイムラグ問題は、一応解決したのですが、いくつか問題点も残りました。カメラ本体と通信しないことによる弊害です。
 ひとつはTTLが使えなくなること。自分の場合、基本的にマニュアルでしか撮らないのですが、移動しながら撮影するような場合はTTLで撮ります。これが使えなくなります。そのような場合は純正フラッシュの出番ということでしょうか。
 もうひとつはハイスピードシンクロが使えなくなること。ごく稀に明るい景色を背景に人物を撮るなどということがあります。純正フラッシュを使えばいいのでしょうけど、光量はAD100 Proの方が大きい(はず)。タイムラグを承知でOMカメラにX Proを取り付けることになりそうです。
 最後は、スリープ解除を手動で行わなければならないこと。X Pro(O)がスリープした場合、通信していればカメラ側の操作でX Pro(O)のスリープも解除されるのですが、そうなりません。X Pro(O)のスリープが解除されているかどうか確認してから撮影するか、もしくはスリープ機能をオフにするという対処が必要です。

 そして、ここからはフラッシュ周りの問題ではなくOMカメラへの要望です、
 ひとつはヒストグラムが見にくいこと。キヤノンのカメラのヒストグラム表示に慣れているせいか、OMのカメラのヒストグラム表示が見にくく感じます。特にOM-1ではE-M1 IIIやE-M5 IIIにあった画像にオーバーレイする大きなヒストグラム表示がなくなって、ローガンの自分には小さなヒストグラムが見にくいです。
 そしてもうひとつはダイヤルやボタンのロック機能を搭載してほしいこと。マニュアルを見ましたが、そのような機能はないですよね…たぶん。誤ってダイヤルを回しても、絞りやシャッタースピードが変わるのを防ぐ機能です。キヤノンのカメラには写真のようなロック機能があるんですよね。OM機にもぜひ搭載してほしい。

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キヤノン5D Mark IVの「LOCK」スライドレバー。
LOCKするとダイヤル操作が無効になり、露出設定の不要な変更を防ぐことができます。


 …とまあ、いろいろ書きましたが、今週、来週と撮影が続きます。OM機をメインに使うつもりですが、保険にキヤノン機も持っていきます。OM機だけで仕事を完遂できるようになるのはいつだろう。




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